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マッスルとマシュマロ
第13章 縋る女
奈保は、夏菜子の研究室に行かなくなった時、悔しくて仕方なかった。
ただでさえ、男性の多い大学の研究室では、奈保は、多くの男に言い寄られていた。
そんな中で、宏樹だけは、全く奈保に興味を示してこない。
端正な顔立ちで、スタイルも良く、いつも紳士的で。そんな、一番、奈保が欲しい男なのに。
貞淑な雰囲気で、でもスタイルのいい奈保に、顔を赤らめながらわざと話しかける学生も職員も沢山いるのに、宏樹だけは全く反応してこなかった。
学生時代から、何かあれば、相手に身体を差し出して解決してきた。
それだけの価値のある身体を、自分は持っていると自負していたのに、その裸を見せても宏樹は平然としていた。
そして、それを夏菜子にみられたのだ。侮蔑したような目で見れたことを、奈保は、忘れられなかった。
だから、夏菜子に二度と会わず、それまで何度か、奈保をいやらしく誘っていた別の研究室の教授に縋ったのだ。
もちろん、身体を差し出して。