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マッスルとマシュマロ
第14章 電車
また、自分の目に涙が溢れそうで、華は困ってしまう。そんな華を覗き込むように宏樹が聞く。
「大丈夫ですか?」
華は、必死で気持ちを立て直し、泣顔のまま、少し微笑んで宏樹に答える。
「大丈夫です・・・」
「少し、座りましょうか。」
宏樹がベンチに華を誘い、二人で並んでそこに座った。
ふうっ・・・。
華が大きく息を吐く。
「また、僕が、こんな時間を指定してしまって・・・」
「電車が、トラブルで満員になったのは、先生のせいじゃないですよ?」
申し訳なさそうな宏樹が、華には逆に可哀想になる。
そして、自分が、申し訳ないような気持ちになる。