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マッスルとマシュマロ
第17章 自宅


 華にも、部屋まで上がるとは・・・という躊躇いがあるものの、自分の身体に感じる宏樹の身体の熱が、華のためらいを忘れさせた。




 宏樹のマンションは築年数は古いものの、リノベーションが施され、公園が見える大きな窓と、そこに面した18畳のリビングがある贅沢な作りだ。

 キーレスエントリーの駐車場と、そこから直結したエレベーターでセキュリティも高い。




 宏樹は部屋を綺麗にしていて、まるでモデルルームのようだ。少し違和感があることとしては、窓に面して、しっかりとしたランニグマシーンとダンベルベンチがあることぐらいだ。


 華は宏樹を抱えるように、居間の大きなソファに座らせた。


 そして、しばらくいなくなったかと思うと、手に毛布を持って、ソファのクッションを整えると、宏樹を寝かせ、その上から毛布をやんわりとかけた。


「お薬箱は、どこ?」
「ローボードの、右上・・・」



 華は解熱剤と体温計を取り出し、宏樹のそばに戻る。




 体温を測ると、すでに38度を超えていた。


 華はジムから持ってきたスポーツドリンクを宏樹に飲ませる。



この顔つきの時は、まだまだ熱が上がるから、もう少ししてから解熱剤を飲ませないと・・・。



 華は、本当に息子を看病しているような気持ちになり、宏樹がきちんとスポーツドリンクを飲むのを見つめる。



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