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マッスルとマシュマロ
第17章 自宅
そして、半分ほどそれを飲んでしまうのを見届けて、まるで息子にするようにクッションを整えると、そこに宏樹を寝かせて、首まで毛布をかけてやる。
「少し、寝ててね。」
宏樹は、家政婦の花村琴美のことを思い出していた。
小さな頃から、時折高熱を出すと、こんな風に優しく看病してくれていた・・・。
ぼうっとした意識の中で、華と琴美が重なっていく。
宏樹は少し、眠った。
しばらくして、ふと目を覚ますと、華が宏樹のそばにきていて、身体を起こす。
そして、スープを差し出した。
冷蔵庫にあったささみとブロッコリーを小さく刻み、コンソメスープにしている。
少し冷ましてあって、いい匂いのするスープを飲むと、胃が温まる感じがあり、身体の中の悪寒が去っていく。
「それを飲んだら、解熱剤、飲みましょうね。」
スープを飲み終えた宏樹に薬と水を渡す。
宏樹が大人しくそれを飲んだところで、華が着替えを差し出した。
「勝手にごめんなさいね。でも、洗面所のところに整理して置いてあったから。部屋着はこれなのかなって。これでいい?」
「うん・・・。」
宏樹が少年のように頷く。