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マッスルとマシュマロ
第22章 邂逅


 相手の医療法人は、何件もの総合病院を全国に持っていて、正弘の会社の薬を取り扱うとともに、治験データにも協力してくれることになっていた。

 治験に入る前にラボを見たい、という。



真面目な法人なんだな・・・。



 正弘は思っていた。


 これまでの経験で、正弘の中では、あまり医師を信じていないのが本音だったけれど、大手でもあり、きちんとラボまで見にきてくれるというその姿勢に敬意を持つ。





 そして、相手の到着時間よりも少し前にラボの玄関前で室長と待っていると、黒塗りのハイヤーが到着した。




 運転手がドアを開け、その相手が降りてきた時、正弘は自分が息を呑むのがわかった。



 降りてきたのは、高山竜馬だった。


 前頭部が広がり、白髪で、恰幅も良くなっていたが、その広い顎と鷲鼻の自信に満ちた顔は、忘れもしない竜馬の顔だった。


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