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マッスルとマシュマロ
第2章 疼き
もともと、夫は性行為には淡白だった。
華が21歳の時、大学卒業を目前に、見合いで、会社を経営する夫を紹介された。
15歳も離れた相手だったが、新薬を売り出して大きくなっていた会社を経営する夫との結婚を周りは祝福した。
華も、父を早くに亡くしていたので、その落ち着いた雰囲気と、大人の男の佇まいに、胸をときめかせ、喜んでその結婚に臨んだ。
しかし、夫は、華をほとんど抱かなかった。
詳しくは話してもくれなかったが、華の前で夫がほとんど勃起したことはない。
それが華のせいなのか、夫の身体のせいなのか、華にもわからない。
ただ、夫はそれでも、こんなふうに華の体を弄ってくれる。
子供も体外受精で授かり、今はもう高校生になる。
毎朝の剃毛は、子供を産んだ後からだった。
出産が帝王切開で、手術で剃毛してから、夫はそれを気に入ったのか、毎朝、儀式のように華を朝の風呂に一緒に入らせ、こうして剃毛するのだ。
華は、その儀式で幸せだった。
ただ、最近、自分の身体が、もっと何かを求めている気がしている。
夫にいじられるたびに、その快感が増している。
身体の内側に熱い火種が残るような気持ちが、毎朝増している。