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マッスルとマシュマロ
第2章 疼き


 快感を知らないわけではない。


 むしろ、自慰は小学校4年くらいから、していた。


 自分で胸や股間をいじると気持ちいいことも知っていたし、中学になる頃には、クッションを股に挟んで擦り付けると、おしっこに行きたいような感覚が気持ち良く広がり、身体がビクビクと震えるようになることも知っていた。

 SEXの、経験も、結婚前にある。


 高校3年の時付き合い始めた2年上の先輩に、その夏休みに破瓜された。

 それは、華にとっては嫌な思い出だ。



 夏休み、グループでキャンプに行き、物置で無理やり入れられた。
痛いと伝えても先輩はやめてくれないまま、最後は顔に精液をかけられて、ヘラヘラと笑われたのだ。



"ごめん、ごめん、お前の巨乳に我慢できなくて出ちゃったよー"


 華がどうしていいかわからずに泣き始めると、先輩は、舌打ちして言ったのだ。



"めんどくせーな"



 そのあと、デートのたびに先輩はSEXしてきたけれど、いつも痛がる華に呆れ、高校を卒業する頃には連絡もなくなった。



 大学時代に付き合った人は、そこまでSEXばかり求めてきたわけではないが、自分の淫部を舐めたがったり、自分にも男の性器を舐めせようとするのか、華には違和感だった。

 結局、自分でいじるのが一番気持ちいいのではないか・・・。


 そんなことを思っていた華は、夫とのSEXは嫌いではなかった。

 結婚当初から、華の身体をたくさんいじりながら、痛い挿入もなく、自分の性器を舐めさせようともせず、必ず最後はクリトリスを優しくいじってイがせてくれる。
 
 華が、好むようなSEXをしてくれている・・・はずだ・・・。

 そう思ってきたけれど・・・この数年、何かが足りないと、虚しくなる時がある。



夫は、私を愛しているのだろうか・・・?



 そして、体の奥が、疼いている気がしている。



ここに、あの人のものを、入れたい・・・。



 30歳を超えたあたりから、そんな気持ちが日に日に強くなっていた。そんな自分は、どこか異常なのではないか・・・。


 華はそんな疼きを毎日抱えながら、服を着て、バスルームを出る。


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