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マッスルとマシュマロ
第28章 初めての口づけ
なんて柔らかくて、温かい手・・・あの日はとても冷たくて心地よかったのに・・・今日は耳元が暖かくて、気持ちいい・・・。
身体が痺れるように、華に触れたい一方で、今、こんなふうに甘やかされるように華に手を添えてもらったことが、宏樹の剥き出しにしてしまった柔らかな心を震わせていた。
その時、目を閉じていた宏樹の唇が、柔らかなものに触れられ、宏樹の全身を石鹸の香りが包む。
華が、目を閉じた宏樹に口づけをしたのだった。
驚いて目を開けた宏樹に、ふんわりと微笑みかけて、華は体を離し靴を脱いでソファの方へ行く。
宏樹はぼんやりと華を見つめるしかできなかった。
ほんの少し、唇が触れただけで、身体がふわふわとして、どうしていいのかわからなかった。
華は、ソファにふんわりと腰掛け、宏樹に向かって微笑んだ。
「すこし、お話ししますか?」
宏樹は導かれるように華のそばに座る。