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マッスルとマシュマロ
第33章 焚き火の前で



 華は、理人の話に、人間の多様さを思っていた。華の周りでそんなことを打ち明けてくれたのは理人だけだけれど、それは、人それぞれで、それを変に思うことなんてない・・・。


 自分と夫の歪んだ性に長く傷ついてきた華は、むしろ理人の、今が幸せだという言葉に救われるような気がしていた。

 そして久美が、理人に顔を寄せたまま言う。





「いいんだよ、理人は。そのまんまで。そんな、理人が愛する人は、男とか、女とか関係なく、人間としてあなたに愛されたってことでしょ。私はそれが嬉しかったよ。」



「私はね、結婚してたのよ、以前。でも、私自身が結構グチャグチャな精神状態で、その夫のこと、今思えば結構好きだったんだけど、甘えられなくて。

 その上、その夫が好きなのは、母性が溢れるような、平井さん、あなたみたいな人だったわけよ。私とは真逆で。

 で、旦那は、そんな自分の理想の女見つけちゃって。私は捨てられて。

 その捨てられる時が強烈でね。目の前で、その二人が、とにかく気持ちよさそうにSEXするの見ちゃって。私、それまで、気持ちいいSEXなんてしたことなくて。

 そんなことできるかしらって、まして、そんな、女オンナしてない私には無理なのかしらって思ってたら、理人が気持ちいいSEX、教えてくれたわけよ。

 男でも女でもない、人間として感じ合うSEX。」


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