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マッスルとマシュマロ
第33章 焚き火の前で
久美の自分語りに、華はどうしていいかわからなかった。夫に、捨てられる・・・。自分自身の不安定な気持ちが溢れ出してしまいそうだった。
あのモデルのような女性・・・華の身体を抱こうとしない夫・・・私は、いつか、彼の求める女ではなかったと、捨てられるのかしら??
そんな呆然としている華に気づいた久美が声をかける。
「平井さん、どうしたの?」
「私・・・」
華は、なんだか喉が渇いて、目の前にある白ワインのグラスをグッと飲んだ。頭が少しくらくらして、目から涙が出てくる。
「夫が、この間、すごく、すらっとした綺麗な人と、腕を組んで歩いているの、見たんです・・・」
涙を止められず、ポロポロと目からこぼしてしまう華の手を、宏樹はただ握りしめるしかできなかった。
そんなに・・・?
宏樹が思った言葉を理人が言う。
「そんな号泣するなんて・・・平井さん、めっちゃ夫さんのこと、好きなんですね?」