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マッスルとマシュマロ
第33章 焚き火の前で
華は、また、悲しそうに眉根を寄せた。宏樹は、嫉妬から、華に意地悪なことを言いたくなり、華の手から自分の手を離し、白ワインのボトルから華と久美のグラスに継ぎ足しながら言う。
「まあ、男と女の気持ちなんて、全くよくわからない。僕は、だから、性欲を研究してますけどね。
大抵の既婚の女性は旦那との性的な繋がりは薄いんです。だったら、なんで結婚してるんだって思いますよ。
性欲と愛とか恋とか、実は関係ないんだなと思いますし、結婚なんて全くよくわかりませんが。
まあ、一番わからないのは、僕の父や母です。
僕は一度も父に会ったことがない。母に聞くと、父の遺伝子が欲しかっただけだと言われました。優秀な人だったから、と。
気持ちがなくてもSEXはできるし、子どももできる。
子どもを作るためじゃないSEXを、なぜ人はするのか。生殖年齢を過ぎた女の性欲が高まるのは何故なのか。
僕はそれを研究してます。」
気がつけば、自分語りをしてしまった・・・。宏樹は、そんな自分に恥ずかしくなり、ワインをグッと飲んだ。
華が、宏樹を潤んだ目で見つめながら言った。