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マッスルとマシュマロ
第3章 鍛える女


 高級ジムだけあって、更衣室と言っても一室20m3もあり、絨毯が敷かれ、ソファも置いてある。



「私、あなたに言われてこの2週間、骨盤底筋、鍛えてきたのよ・・・様子を見てよ。」



 和代は、靴を脱いで、ジムバッグを慌ただしく下ろしながら、いそいそとソファに座った。



2週間前、初めて和代を抱いてやった。



 最初の時から、宏樹の筋肉を触らせてくれ、と言ってきて、その体に発情したような視線を送ってきていたのもわかっていた。



 そして、宏樹は自分の研究のこともあり、その対象を一つ増やすために、和代を抱いてみたのだ。



 2週間前、ジムで懸命に自分の腹筋や背筋を鍛える和代に宏樹は聞いた。


「三田さん、その頑張りの秘訣はなんですか?」


「そうね、やっぱり綺麗でいたいから、かな」



 和代の顔を見ればわかる。

 ヒアルロン酸、だな。

 表情がどことなく引きつったような、人工的な顔つき。歯も、セラミックを被せているのだろう。そこまでしても、自分を美しく見せたいのだ。

 宏樹は、そんな女をたくさん見てきたし、彼の母親もそんな女だ。


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