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マッスルとマシュマロ
第37章 夫婦
正弘の中に、竜馬の言ったことが蘇る。
"お前も、女の抱き方くらい、練習しとけよ"
正弘は思っていた。あんなのは、女が本当に喜ぶ抱き方とは思えない・・・あんなのは、異常なんだ・・・。
それは、自分の中で、竜馬に普通ではない快楽の黒い淵に沈められそうな自分への抵抗だったかもしれない。
でも、正弘は、自分の正しさを証明したかった。
今なら・・・。
正弘は、脱衣場で自分の返事を待ってくれている華に声をかける、
「華も、入っておいで・・・」
息子は水曜日まで合宿でいない。今晩は夫婦二人きりだった。
華は、素直に裸になると、風呂に入ってきた。
正弘の心に、また、ペットの姿を可愛いと思うような気持ちが湧き上がる。
いつも、ふわふわでむくむくの犬のような、華。
正弘はそう思いながら華を見つめる。
これまで、たった二度ほど華を抱いたけれど、それは子どもを作ろうという義務感からだった。
今晩は、この人を、気持ちいいと思わせてやろう・・・。
竜馬は、僕が女を喜ばせないと思っているが、僕だって、女を喜ばせることくらいできる。
何より、この人は、僕をこんなに愛してくれている。