この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
マッスルとマシュマロ
第39章 告白


「家はぐちゃぐちゃだったし・・・おれは、もう、あの学校にいられなくなるところだったんだ・・・」



 でも、正弘の中で、あの頃の竜馬は、いつもみんなの中心にいて、スポーツも万能で成績も良い、学校でも指折りの人気者だった。
そんな苦悩は、周囲には全く感じさせてはいなかった。



「そんな時、母方の親戚が、俺の学費を出すと・・・家の面倒を見ると・・・」

 竜馬はそこで、軽く息を吐いた。

ふうっ・・・。

 その頃の辛い思いが、まだ竜馬の心を締め付けるのか、少し眉根を寄せて、話を続ける。

「苦労知らずの母は、大喜びで・・・でも、その条件が、医学部に行き、医者になって、そこの娘と結婚することだったわけさ・・・。」

そんなことが・・・。

 正弘は、あの夏休み明け、やっと竜馬に会えると、心を弾ませながら待っていた気持ち、でも自習室にも全く現れず、学校で見かけても、まるで自分を避けるようにどこかに行ってしまう姿を、思い出していた。

「ごめん・・・そんなことがあってたなんて・・・僕は、捨てられたとばかり・・・」

 竜馬がまた、正弘を抱きしめる腕の力を強くした。

「会いたかったよ・・・お前とじゃれあって、お前が俺をまっすぐに見つめて、全てを崇拝してくれてたあの瞳を・・・見ていたかった・・・。
でも、受験に失敗するわけにいかない俺は・・・予備校漬けだったし・・・。」

 そして、正弘の顔を覗き込み、その顎をくいっと持ち上げ、軽く口付け、掠れ声で言った。

「お前を抱いたら・・・まるで身売りをするような自分に・・・戻れなくなるから・・・あの夏・・・お前のそばには、いられなくなったんだよ・・・」

「ごめん・・・竜馬さん・・・僕、知らなくて・・・」

 正弘は竜馬の頬に、額を寄せ、首に抱きついた。


「いいんだよ・・・俺は、お前に、いつまでも・・・かっこいい先輩でいたくて・・・」

 そんな竜馬の首筋に正弘は、すがるように唇を寄せ、熱に浮かされたようにその名前を呼んでしまう。

「竜馬さん・・・ああ・・・竜馬さん・・・」


/427ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ