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マッスルとマシュマロ
第43章 竜馬の闇
竜馬は、掠れる声で話し続けていた。
「あいつ、俺と結婚するときには、誰かの子供を孕ってたんだよ・・・。この業界では、有名な、どうしようもない女だった。
だから、俺は、それにあてがわれるために、買われたのさ・・・。」
親類からあからさまに、金目当てだと揶揄され続けてきたこと。真剣に経営に携わりたくても締め出されてきたこと・・・そしてその間も、妻は幾人もの男と関係を続けてきたこと。
「そして、とうとう、捨てられる・・・。俺がバカだったんだ・・・。」
親からも、売られたようなものだった。婚家でも、買ったものとしてぞんざいに扱われた・・・。
竜馬自身も、その立場に鬱屈し、酒や性欲におぼれ、自分を確立してこなかった。
自分で、その愚かさにも気づいている。