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マッスルとマシュマロ
第44章 嫉妬
竜馬は正弘を後ろから抱きしめたまま、これまでの自分のことを話し、正弘のこれまでのことを聞いていた。
竜馬のこれまでは、あまりに壮絶だった。
新婚旅行に愛人を連れてきた妻。
妻の寝室に出入りする男達・・・。
隣の部屋から聞こえる嬌声・・・。
憎々しげに言う竜馬の言葉からは、女という生き物全てが欲深く邪だと軽蔑している声音が響いていた。
「それで、お前は、幸せな結婚生活だったのか・・・?」
少し揶揄うような竜馬の言葉だった。竜馬は、結婚が幸せだなんて、少しも思えないのだった。まして、欲深く邪な女を、正弘が愛おしむとは思えなかった。
竜馬がそう思っているのだろう、と正弘も思いつつ、それにどう答えるか、躊躇った。だが、嘘をつくのも違うだろうと、正弘は正直に答える。
「幸せ・・・だと思うよ・・・」
後ろから、正弘の胸を撫で回していた竜馬の手が止まる。