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マッスルとマシュマロ
第44章 嫉妬
竜馬の身体が温度を失っていくように感じ、正弘は慌てて竜馬に向き直って、その胸に顔を埋めながら囁く。
「でも・・・妻を抱いたことは・・・ほとんどないよ・・・気持ちよくなんてなれないんだ・・・。彼女は、僕にとって、可愛い大きな白い犬のようなものだよ・・・。ただ、家族として・・・そういう意味の幸せだよ・・・。」
竜馬は、ふっ、と軽く息をつき、正弘を抱きしめて足を絡め、その頭に自分の顎を乗せ、ピッタリと身体を沿わせた。
「じゃあ、これまで、お前の欲しがりな身体は、どうしてたんだ・・・?」
正弘は胸の奥が熱くなる。
僕の、欲しがりで、こんなにいやらしい身体を知って、受け入れてくれるのは、竜馬さんだけだ・・・。
これまで、正弘は、自分の性に悩みながら、でも、会社の代表として、夫として、父親として、正しく見せようと生きてきた。
でも、その内側にある、快感を求める欲望を、竜馬は包み隠さずに見せられるただ一人の相手だった。
とはいえ、これまで、正弘はその肉体を埋めてくれる情夫を持たなかったわけではなかった。
言い淀んだ正弘を、竜馬が促す。
「だれか、男が、いたのか?」