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マッスルとマシュマロ
第47章 心を柔らかくするもの
多くの友人たちが、自分の恋愛をあからさまに人に話すのを、これまでの宏樹は、呆れるような、蔑むような気持ちで見ていたけれど、それはこんな気持ちだったのか、と今、思っていた。
「とても・・・素敵な人です。」
でも、それ以上は、宏樹は話せなくなった。
あの、出会いを、初めて痴漢した時の濡れ濡れの膣を、初めてその淫部を見るためにスパッツを下ろした時の華のはじらう姿を、初めて看病してもらった時の、熱の中で抱いた冷たくて柔らかなマシュマロのような身体を、夏菜子に伝えることはできない・・・。
それでも、そんな、これまでの華との時間を考えているだけで、宏樹の心の中に、固く冷え切っていた心の中に、温かな部分が生まれるように感じるのだ。
宏樹は、その感触を、夏菜子に伝えてみる。
「その人といると・・・自分の心が、温かくなるような、包まれているような・・・そんな気持ちになるんです・・・。」
ああ、やっと、この子は、甘えられる人を・・・。
夏菜子は、少し寂しいような気持ちも持ちつつ、宏樹の変化を喜んだ。
「今の宏樹さんを見れば、その方との恋が、あなたを柔らかくしたのだなって、わかるわ・・・。
これまでのあなたは、どこか、一人きりで踏ん張って、肩肘に力を込めてしまっているようだったけれど・・・。
素敵な、方なのね・・・。」
宏樹は、こくり、と頷いた。