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マッスルとマシュマロ
第6章 あの日の女


 そのとき、理人が張り切ったように華に声をかけた。


「よろしくお願いします。じゃあ、簡単に、このジムの説明をしますから、こちらにどうぞ。
 久美さん、宏樹さんとトレーニングしててください。」


 理人たちが受付の方に行き、宏樹は久美とまずはストレッチスペースに行く。




「あの人、旦那が儲かってるから、お金はあるわよ。とにかく痩せたいらしいから、いっぱい指名してくれるんじゃない?」


 久美は、少し馬鹿にしたように言う。



痩せなくていいのに・・・。あのマシュマロのような身体がたまらないのだ・・・。



 宏樹は思いつつ、久美の言葉を無視して、今日のトレーニングメニューを確認しながら、ストレッチをする。



 ストレッチをしながらも、理人たちの会話が気になって仕方ない。



 受付にいる華の声はほとんど聞こえないが、普段から声の大きな理人が話すのは聞こえてくる。



「痩せたいなら、実は筋肉が大事なんですよ!週に2回から3回は筋トレ、入れた方がいいですね!」


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