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マッスルとマシュマロ
第6章 あの日の女
宏樹は、これまで、研究の時間を確保するために、17時以降の顧客は断ってきた。
「久美さんの紹介ですから。」
宏樹はわざと馴れ馴れしく久美に微笑みかけて答え、久美もまんざらでもない顔で言う。
「宏樹くんは、医学部で研究もしながらトレーナーしてる方だから、安心よ。」
華が、ほっとしたように笑顔で頷き、宏樹にその瞳を向けて聞いてくる。
「よろしいですか?」
宏樹は内心、その笑顔にドキッとしながら、平静を装って答える。
「もちろんです。」
「じゃあ決まりですね!」
理人が明るく言い、手をパン、と叩いた。
宏樹は久美のそばを離れ、理人に言う。
「じゃあ、ここからの平井様のご案内は僕がするから、久美さんのトレーニングよろしく。」
理人と久美が視線を絡めて頷いた。
二人は、そういう仲なのは、宏樹も知っている。
実は理人はバイセクシャルで、久美のような中性的な女が好みなのだ。
華のような、女性を体現したような肉感的な女は苦手なのも知っている。
久美と理人が二人きりでトレーニングする時は、有酸素運動といって、アクロバティックなSEXをしまくっているのも、宏樹にはわかっている。
宏樹は、華を連れて、更衣室に入った。
「筋トレをする時には、トレーナーとしては、筋肉の動きが確かめたいので、それがわかるウェアを薦めています。
よければ、見てもらえますか?」
宏樹はそう言って、華をソファに座らせて、その前のテーブルにウェアを広げていく。
ウエアは、上はブラトップで、胸元と背中ぎ大きく開いたトップスと、身体にピッタリ沿うスパッツだ。
トップスは胸の下までしかなく、スパッツも臍上あたりまでなので、腹部も露出する。
本来は、見た目から入りたがる客のために用意したものだが、宏樹はこんなウエアを着てむちむちと肉をはみ出す華の身体が見たくて勧めてみたのだ。