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マッスルとマシュマロ
第9章 はじめてのトレーニング
しばらく雑談をしながら2キロほどゆっくりと歩いたところで、華が、少し顔を顰めた。
「平井様、どうかなさいました?」
これまで運動などはしていないと入会の時に聞いていた。ウォーキングで、どこか痛めたのだろうか。
華は顔を少し赤くして、初めは何も答えなかった。
宏樹はマシーンの停止ボタンを押す。マシーンは徐々に速度を落とし、止まった。
「どこか、痛みますか?」
華は、何かを言い淀んでいるが、心配そうな宏樹の顔を見て、小さな声で答えた。
「あの・・・やっぱり・・・ウエアが小さいみたいで・・・股が擦れたみたいで・・・痛いんです。」
「ああ・・・では、更衣室へ・・・」
華はそっとマシーンから降り、よちよちとした感じで更衣室に向かう。
宏樹の中では、あの日、ホームでよちよちと歩いていた華の後ろ姿が浮かび、堪らなくなる。