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北の軍服を着た天使
第3章 Episode 3
カーテンの僅かな隙間から、木漏れ日が室内に入って……ムードで言うと最高な物だろう。
だけど、さっきの一連の話がいまいち掴めないため私の心で言うと、ムードもへったくれも関係ないほどに混乱していた。
「タバコ、吸うだろ?」
「あ、うん。…じゃなくて、はい。」
「年齢もさほど変わらないし、別にタメ口で良い。ビジネスの話をしに来た訳じゃないんだろ?」
「いや、一応、仕事がうまくいった御礼を兼ねて来ました…」
「……まあ、どっちにしろ敬語を使われたら俺の知ってる❝流川リサ❞とは違うみたいで気分が悪い。」
「───いや、そんな事言われても…」
押し問答で話にならないと思ったのか、キム・テヒョンは私の顔を見つめてから、あからさまに大きなため息を着くと、李さんの方へ顔を向けた。
「おい、李。」
「はい。」
「エムは何で、この女を狙ったと思う?」
「テヒョンさんと親しいと踏んだのでは無いのですか?」
「……別に親しくないだろ。仕事でしか会話もしないんだし。」
「まあ、向こうはテヒョンさんに関する情報なら例えそれが実利にならない物でも欲しいでしょう。相手が相手ですし。」
「………。」