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第3章 Episode 3

まあ確かにアルファードやランドクルーザーは道が悪くても問題無く走れるし、内装も高級感がある。

日本車だから潰れないし、燃費も良いし、国家の人間が任務に使ったり重役を送り迎えするのにはもってこいの車だろう。──窓ガラスを防弾ガラスに変えてしまえば、中国仕様になるし。だけど、昔ながらの日本人的な性格をしている社長がそんな事を知れば腰を抜かすだろうなぁ…。

李さんの丁寧な受け答えのおかげで、『中国の中にも優しい人が居るんだ』と最近になって、やっと、そういう差別心とか区別心が無くなってきた様な人なんだ。

それがイキナリ、あの人に「あの車は中国の公安の人たちが使いますよ」なんて言ったら売国奴になってしまった、と自分を責めかねない。

社長には、詳しい事は話さない方が良いだろう。


……そう判断してから、マグカップを手に持った｡