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ある冬の日の病室
第4章 別れの予感~からの……
 里奈の手がまた僕のペニスに伸びてきた。偉そうに愛だ恋だと語っても、僕はどこかでこういうシチュエーションを期待していたのだ。また里奈の手で慰められたい。そして快楽と共に深い深い眠りにつきたい、と。
 ところが、僕のそう言う願望はいい意味で外れた。
 確かに里奈の手は僕のペニスに向かっていた。布団を剥ぎ、母親が赤ちゃんにするような感じで、里奈は僕のパンツを下ろした。勃起しているペニスが、パンツの締め付けから解放されると、もの凄い勢いで跳ね返り、僕の下腹にぴたりとついた。
「……」
 恥ずかしくて僕は何も言えない。目も閉じてしまった。
「もうこんなに大きくなっている」
「すみません」
 なぜか僕は里奈に謝った。
「謝ることなんかないわよ。でも翔のおちんちんは私と話をしただけで硬くなるのね。ふふふ」
 僕は翔君ではなく、翔になった。
「……」
 心臓がバクバク鳴る。そして何かを感じる。
「主人の匂いとは違うわ。若い獣の臭いがする」
 薄目を開けて里奈の様子を探る。里奈は僕のペニスの匂いを嗅いでいたのだ。
「臭いですか?」
 バカな質問をした。入院中でろくに風呂にも入っていない。僕の肉棒が、高級化粧品メーカーの出すコロンのような匂いを放散するはずがない。
「雄の匂い」
「えっ?」
「男の匂い、ここはね」
「……」
「翔は知ってる?」
「……」
「この匂いは女の好物なのよ」
「ちんぽの匂いが?」
「そう」
 里奈とこうして話していても、目を合わせることはできない。でも里奈が何をしているのかはわかった。
 何か見落としがないように、里奈は僕の肉棒を隅から隅まで目を凝らし見ている。もちろんそんな風に見られればみられるほど、僕のペニスは硬さを増していった。
「舐めて」
 小さな声で僕は訴えた。
「生意気な子ね」
「ごめんなさい」
「舐めてください、でしょ?」
「……舐めてください」
「ダメよ、だって翔のばっちい我慢汁がもう出てるんだもん」
「ごめんなさい」
 母親に謝っているような感じだ。
 里奈は右手の人差し指を僕の鬼頭の先に付けて、僕の男汁を指の腹で掬い取った。
「口をあーんって開けなさい」
「……」
 僕は口を開けた。里奈は僕の我慢汁が付いた指を僕の口に中に入れた。
「どんな味がするのか、よく味って私に教えて」
「……」
 僕は里奈の言うとおりに自分の我慢汁を口に含んだ。
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