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ひとつやねのした
第1章 ひとつやねのした
「あー!美咲ちゃんもカラオケに誘うチャンスだったのに!逃したー!」
「裕也、ごめん!俺、美咲追いかけるから」
「お、おう…」
美咲を追いかけると美咲は学校を出たところを歩いていた。
「美咲」
「龍君……みんなでどこか行くんでしょ?どうしたの?」
「いや…俺も帰るから…嫌かもしれねぇけど今日は一緒に帰る」
「………嫌じゃない///」
勢いで来たものの、急に何を喋っていいかわからなくなる。
すると、美咲が俺の小指を掴んだ。
「…あ///…ふうぅ……」
「どうした?」
「…やっぱり龍君…みんなと遊びに行きなよ………あたしが龍君一人占めにするの申し訳ないもん…」
「はい?誰に申し訳ないって?」
「龍君のお友達………」
「別にあいつらは俺がいなくても勝手に楽しんでるしそんな事思わなくていいよ」
「……龍君!こっちきて!」
美咲は突然俺を引っ張って俺達の家に入っていった。
「なんだよ急に」
「こっち!」
そして、まだ入ったことのない美咲の部屋に連れて行かれた。
すげ…同じ家の中にこんないい匂いの場所があったのか…
「龍君……ずっと龍君の事が好きでした!」
「…エェ!?またまた!絶対ないって!」
「本当……だもん」
「だって俺、顔とかめちゃくちゃ普通だし喧嘩弱いし、ただのエロじゃん!」
「龍君格好いいもん…優しいし…お友達たくさんだし…龍君がえっちでもいいもん…」
「友達多いって言うか…うちのクラスが全体的に仲良いってだしな…俺、美咲が今までつき合ってたようなイケメン達とは全然違うんだけど」
「今までつき合ってた?」
「つき合ってただろ?美咲の周りはイケメンばっかりだったじゃん」
「へ?つき合ってないよ……あたし…すごく人見知りで……お友達なかなか出来なくて…あの辺の男の子達しか話し掛けてれなかったから…それで勘違いされちゃったのかな…みんなお友達だよ?」
それ…向こうは美咲狙いで集まってきてるだけなんじゃ…
「まだ男の子とつき合ったことないし…なのにいつもお友達に囲まれててあたしなんかが近付けなかった龍君が家族になるって知ってすごく嬉しかったんだぁ…」
学校一可愛い美咲と家族になれたってだけでもバチが当たりそうなのにこれは俺どうなるんだよ…。