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無垢な彼女
第3章 しっかり者彼氏


「…大野ッ……頼むから…そんな事言わないでくれ…」


崩れた安藤君は弱々しい声でそう言うと、淳君の足にしがみついた。

安藤君泣いてる!?どうして!?

「は!?な、なんだよ?」

「俺、一年の頃からずっと大野の事好きだったんだよ!」

!?

さすがの淳君も動揺していた。


「えーっと…ごめん…俺が好きなの琴美だけだから気持ちには応えられない。琴美にひどい事言ったのも許すつもりはないから」

「1年のマラソン大会の時、俺のペットボトルの水飲んだの覚えてないか!?」

「マラソン大会?…あーそういえばゴールした時に委員の奴がペットボトル配ってたな」

「それ俺!その時のペットボトルだって取ってあるんだ!体育の時に大野が使って忘れて行ったタオルだって!それに、大野が捨てた割り箸に…」

「ちょっと待った!それ以上言わないでいい!」

「…こんなに愛してるのに…その女とヤれば大野と穴兄弟になれると思ったんだ…なのにその女セックスもまともに出来ないなんて…」


安藤君…そんなに淳君の事…安藤君が私に厳しかった理由が少しわかったような気がした。
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