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無垢な彼女
第1章 無垢な彼女
次の日。
教室に着くといつもは席に行くまでにクラスメートと話したりして時間が掛かるが、今日は真っ直ぐ席に向かった。
「淳君ー!おはよー!」
「おはよう……琴美!寒くないか!?暖かい飲み物でも買ってこようか!?」
思い付く限りの優しさをアピールした。
告白するまでの短いスパンで優しさをアピールするのにもう必死だ。
「ほえ?寒くないよー!もうすぐ夏だもん!」
「ほら!冷房とかでさ!」
「…今日の淳君変!」
「変でいいから…あー!ちょっと一回教室から出ない?昨日の話…」
一気に勝負に出てやる。
と、その時だ。
「おーい、淳ー!」
「な、何だよ!?邪魔するなよ!」
「は?邪魔?あー最近小山と仲良いな?」
「小山、淳と仲良くしてもらえて良かったなー?」
「うんっ!すっごく楽しいの!」
「馬鹿!小さい子みたいに扱うな!琴美も、元気良く返事すんな!馬鹿にされてんだぞ」
「ほえ?」
わかってない…結構抜けてんだよな…。
「それより淳!お前、昨日送ったアドレスに送ってないだろ!」
「アドレス?なんだっけ?」
「オイ!何でこいつがモテるんだよ!?この前の合コンの時の女の子だよ!昨日アドレス送っただろ」
「別にモテてねぇよ…あーぁ!昨日寝不足でちゃんと聞いてなかったんだ…わりぃ」
覚えてても今はもう送らないけどな…。
「淳君誰に送るのー?」
「琴美ちゃーん…こいつ、合コン出てないくせに相手の女の子二人も淳の事気になってんだ!俺たちは必死で場を盛り上げたり、大変だったのに!」
「けしからん奴だ!今すぐ連絡しろ!」
「ごめん!俺…その子達と連絡は取らないことにした。連絡先添付したメールはちゃんと消去しておくから」
よし…バッチリ断ったぞ!
琴美!ちゃんと俺の堂々とした姿を……あれ?いない?
「って琴美どこいった?」
「え?今、走って教室出て行ったけど」
「俺追い掛けるから女の子達によろしく伝えといて!」
「ハ!?淳、まさか小山と!?」
「マジで!?なんだよそれ!?」
俺は急いで琴美を追い掛けた。
廊下を走って窓の外を見ると、中庭の花壇のところにいるのがすぐわかった。
早くね!?
とにかく急いで琴美のところに向かった。