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無垢な彼女
第4章 悪魔な彼女
次の日。
父さんがそのカフェの店長を紹介してくれた。
父さんが直々に店舗の店長と会うなんて早々ないらしく、店長も緊張していた。
「店長の北原(キタハラ)です。よろしくお願いします」
北原さんは30代前半のカッコイイお兄さんといった感じの人だった。
なんとなく淳が30代くらいになったらこんな感じになりそうな気がする。
「いやいや!突然こんなこと頼んでしまってこちらがよろしくお願いする方だよ!うちの息子を頼んだよ。涼太、しっかり挨拶しなさい」
「武山涼太です。これからよろしくお願いします!」
「北原君、今日このまま店に連れて行ってやって欲しいんだが構わないかね?」
「はい。今日早速研修始めます」
「じゃあ、涼太!北原君に迷惑を掛けるんじゃないぞ!ちゃんと言うこと聞けるな?」
「父さん!俺、もう子供じゃないから!」
「すまんすまん!涼太君が働くなんて不安で不安で…」
昔から父さんは俺にかなり甘かった。
実際小さい頃は父さんに頼めば欲しいものがなんでも手に入ると思って甘えていたけど、いつまでも甘えてられない。
俺は北原さんと店に向かった。
「北原さん」
「は、はい」
「他のバイトの人に俺が社長の息子って話は内緒にしてもらえませんか?」
「え?それは出来ません!言っておかないと失礼な態度をとる者もいますので」
「それでいいです!他のバイトの人と同じように働きたいです!あと、北原さんも敬語やめてください!父さんは社長かもしれないけど俺は一番下っ端なので…」
「しかし…」
「お願いします!そうじゃなきゃ意味ないんです!色々教えてもらったり、間違ってる事は叱られたりしてもらって頑張って稼ぎたいんです」
「それじゃあ…敬語はやめておこう。しかし、驚いたよ。なかなか向上心あるんだね」
「経験ないんですけど、やる気はあります!」
「いやーなかなかさっきみたいな事言える高校生の子いないよ?普通にバイトの面接に来ても採用してたよ」
良かった…北原さんもイケメンだし、すごく良い人そうだ。