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無垢な彼女
第4章 悪魔な彼女
ポツッ
「冷たッ…ん?雨?」
「なんか急に曇ってきたねー」
そんな事を言っていた矢先に、一気に雨足が強まった。
ゲリラ豪雨だった。
上で花火大会が中止のアナウンスが流れている。
空がゴロゴロと唸る。
そうだ!雷の時は木の近くは危ないんだ。
「小山!移動しよう!」
「…う、うん」
激しい雨に打たれながら小山の腕を掴んで、進んだ。しばらく進んだところで幸いにも道路に出た。
車は一台も通ってないけど…この道路の外側を歩けばどこかしらに着くはずだ。
「痛ッ…」
小山は突然立ち止まった。
「どこか怪我した!?」
「ううん…大丈夫だよー…少し靴擦れしちゃって…」
小山は無理矢理笑顔を作っているのがすぐにわかった。俺は靴だったけど、小山はサンダルだ。
山道歩いたら靴擦れするに決まってる。
「気付かなくてごめん…おぶるから乗って」
「駄目ッ!武山君も疲れてるもん…」
この激しい雨に打たれてるだけでもかなり体力を消費していた。
でも…そんな事言ってられない。
「大丈夫だから。あと少し歩けば人いる所出るから…」
根拠なんてないけどあえてそう言い切った。
「でも…はうぅ…」
「わかった。じゃあ、少し歩いてどこにも着きそうになかったらどこかで休めるところ探して休むから…」
なんとか説得して小山をおぶった。
小さいだけあって軽いよな…
それに、この方が少し暖かかった。