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無垢な彼女
第1章 無垢な彼女
夏休みが始まって一週間。
琴美から音沙汰なし。
まぁ…頑張るって言ってもさすがに一回の補習では終わらなかったか。
暇過ぎて早々に夏休みの宿題も終わってしまった。
彼女がいる夏休みなのに男の集まりに毎回行くのもどうかと思い、デートで忙しいふりをする日もあったり…。
そして、なんと8月に突入してしまった。
さすがに俺の方から連絡した方がいいかな…そろそろ声も聞きたいんですけど。
でも…一生懸命がんばってる琴美の姿を想像すると、邪魔しないほうがいいのか連絡をするのに悩む。
スマホの電話帳の琴美のページを眺める。
「淳ー?担任の田中先生からお電話よ?」
「え?俺に?」
…俺休み前に何かやらかしたっけ?
担任から家の電話にかかってきて良い思い出なんてない。
「もしもし?」
「大野!こんな事頼むのもどうかと思ったんだが…小山の勉強みてやってくれないか?」
「ハイ?」
「いやね~…学校側も補習は7月で終わらせる予定だったんだが…」
「やっぱり琴美の補習終わってないんですか?」
「…小山も最初はやる気満々だったんだぞ?点数もあと一息で合格点とかだったりしてな…今補習に残ってるのは小山だけなんだが、大野に会いたいって泣きながら補習受けるんだよ。席替えしてから小山の成績も少し上がってきてるし協力してくれないか?」
「…わかりました。一つだけお願いしていいですか?終わってない教科の補習一緒に受けさせてください。あと補習のテスト全部次の日にしてもらいたいんですけど」
「それは全然かまわない!明日から頼んだ!」
明日いきなり行って琴美を驚かせてやろう。