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無垢な彼女
第4章 悪魔な彼女



「それでは、中はとても暗いので懐中電灯を…彼氏さん持ってください!それではいってらっしゃい」


お化け屋敷のノリとは思えないノリで係りの人が俺に懐中電灯を渡した。
懐中電灯を持つのが俺で良かった…雪ちゃんが持ったら絶対見たくない所まで照らし始めそうだし!

足元だけ照らして進む。
周りを見なければ大丈夫だ!

「…涼太?ねぇ、後ろ照らして?なんか落としちゃった」

「え?まじで?どの辺……ウワアァァァァ!」

バッと後ろを照らすと不意打ちでかなり怖いメイクをしたお化け役の人が後ろに立っていた。
俺は情けないことに雪ちゃんに抱き付いていた。

「…ぷっ…涼太やっぱり怖かったんだぁ」

「だだだだって!ちょっ…雪ちゃん、先行かないで!」

クソ…情けない姿を晒してしまった。


「涼太、ここに手入れるんだって」

「俺が入れんの?」

「…あたしが入れるの?」

「俺ですよね…じゃあ、雪ちゃん近くにいて…雪ちゃんいないと頑張れない」

「ふふっ…頑張って」

雪ちゃんの腰に腕を回して雪ちゃんがどこかに行かないようにして、手を突っ込むと冷たい感触がしてダンッという音と風で驚きすぎて声も出なかった。

その光景を見た雪ちゃんは大喜び…。


カッコ悪過ぎる…。

お化け屋敷を出てからも雪ちゃんは楽しそうだった。

「雪ちゃん、楽しそうだね」

「うん♪涼太可愛いんだもん」

「それ嬉しくないから!」

雪ちゃんの調子も取り戻した事によって前の感覚が戻ってきて、楽しかった今日1日が短く感じた。
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