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無垢な彼女
第5章 分析彼氏
次の日。
いつも迎えに来てくれてる鴨宮君は来ていなかった。
もしかして…風邪とかでお休みだったりして…
今日言うって決めたのにな…
学校に着いて鴨宮君の机を見ると鞄があったので学校には来ているようだ。
どこいったんだろう?
まさか…保健室?
一応保健室に行って覗いてみる。
「…あら。谷本さん?どうしたの?今、鍵開けるわね」
後ろからあの保健の先生に声を掛けられる。
退院後、結構保健室を利用していたので覚えられていた。
今先生が来たって事は鴨宮君はここじゃない…
「あの…何でもないです!」
「あら、本当に大丈夫?」
先生の首もとにキスマークがあるのが服の間から見えて、ドキッとする。
先生はすぐに気付いて隠した。
昨日あの後先生のところ行ったんだ…。
涙をグッと堪えて、その場をあとにした。
泣くのを堪えながら鴨宮君を探す。
探し回っていると、ガタンッと使われていない空き教室から音がした。
なんか話ている声も聞こえる。
もしかしてと思い、ドアを少し開けてのぞき込むとそこにいたのは鴨宮君と夏樹ちゃん…しかも二人がキスをしていた。
驚いてしまってドアにぶつかってしまう。
こちらに気付いた鴨宮君はバッとこちらを向いて私に気がついた。
「…優菜」
私は動けなかった…。
その場に崩れ落ちてしまう。
鴨宮君より先に夏樹ちゃんが私の所にやってきた。
「……ふん。あんなキス何がいいの?」
「おい……優菜に関わんじゃねぇ…」
鴨宮君が今まで聞いた事のない怒りに満ちた声でそう言うと、夏樹ちゃんは壁をガンッと蹴って行ってしまった。
どういうこと?
状況が全く理解出来ない…
すると、鴨宮君はすごく苦しそうにその場に座り込んだ。
急いで立ち上がって鴨宮君に駆け寄る。
「……ハァハァ」
「鴨宮君!?どうしたの!?ほへ?…蕁麻疹出てる!?保健室!肩貸すから早く行こ!?」
ハッ!保健室…保健の先生いるけど…ううん!そんな事言ってられない!
なんとか教室を出る…。
保健室まで私が鴨宮君の事支えなくちゃ!
背の高い鴨宮君を支えるのは容易ではなかった。
「優菜ちゃんどうしたのー!?やーっ!鴨宮君が大変!」
たまたま琴美ちゃんが通りかかってすぐに大野君を呼んでくれて、保健室まで大野君が鴨宮君を運んでくれた。