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無垢な彼女
第1章 無垢な彼女
それから少しすると武山が戻ってきた。
「どうした?武山も先行ってろよ」
「いや、俺も待ってるよ。さっきのはちょっとな…更衣室一緒に入ってんのに知らないってな?」
「まぁ…琴美もちょっとトロいとこあるから待てなかったのかもしれないし…長谷川は幼馴染で慣れてるかもしれないけどさ」
武山としばらく待っていると、長谷川がタオルで水着姿を隠しながら出てきた。
俺達を見つけると小走りでこちらにやってくる。
いつもはメガネを掛けて地味な感じの長谷川だが、メガネを外していて髪も上げてるせいかだいぶ印象が違う。
長谷川って結構可愛いんだな…。
そして近くに来るとまず目に入ったのは…胸デカッ!?
その迫力に武山は目をパチクリさせていた。
「大野君…」
「…あぁ!どうかした?」
長谷川はちょっと深刻そうな顔をしていた。
「琴美の鞄の中に水着が入ってなくて…」
「え?もしかして小山水着忘れたの?ここの水着競泳用みたいな水着しか売ってないけどマシなの探して買ってこようか」
「違うの。あのね…私達がお手洗い行く間にあの三人が荷物見ててくれるって言ってたんだけど、戻ってきたら琴美の水着だけなくて。来る途中に琴美の水着見せてもらってたからなくなるなんておかしいでしょ?」
「…あいつらの仕業か。話つけてくる」
「大野君待って!あの三人が本当に盗ったって証拠ないから…それとね。あの三人の一人の子の小学生の妹さんのスクール水着がたまたま鞄に入ってたからって琴美服脱がされて無理やり着させられて…止めたんだけど…そしたら私も無理やり水着に着替えさせられて…服もロッカーに入れられて鍵閉められちゃったの…それで琴美泣いちゃって…」
「はー!?あいつらそんな事すんの!?…本当ごめん!俺があいつら誘ったから…とにかくロッカーの鍵取り返してくる!」
武山は急いでプールの方に向かった。
結構広いから探すの大変そうなんですけど…。
「…長谷川。悪いんだけどさ、琴美にこのタオル巻いて連れて来れる?」
「うん…琴美、大野君に新しい水着見せられないのが一番ショックだったんだと思うの。今は大野君の方が琴美の事元気付けられると思う」
長谷川は俺のタオルを持って更衣室に入って行った。