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無垢な彼女
第6章 愛しの彼女

しばらくすると、雪ちゃんはミルク粥を持ってきてくれる。

「卵なかったから…ミルク粥にしたけど…」

「………」

なんか…胸がいっぱいとはこのことを言うんだと思う。言葉が出ない。

雪ちゃんはレンゲでミルク粥を掬うとフーッと冷ましてくれて、食べられる温度にすると俺の口元に持ってきた。

「……食べれる?」

「……………うん」

それを食べると自然と涙が零れ落ちた。
雪ちゃんは俺の涙を指で拭った。

「…泣かないの」

「…ッ…グッ…雪ちゃん…本当にごめん…」

俺は泣きながら雪ちゃんのお粥を完食した。
食べ終わると、北原さんの家で鴨宮の姉ちゃんにもらった薬を雪ちゃんは取り出してくれた。

「あれ?それ…」

「これ?今日北原先生が市販のだけど涼太によく効いてたからってくれたの。昨日からあたしが看病しに来てるんだって?」

「う…ごめん…北原さんの家にお世話になりっぱなしだったから…そう言って帰って来たんだ…」

鴨宮の姉ちゃん経由だったか…

雪ちゃんは食べ終わった食器と水の入ったコップをを机の上に置くと、俺をベッドに横になるように促した。

そして、なんとキスをしてくれた。

「ゆ、雪ちゃん!うつったらどうすんだよ…」

「今更?別にいいよ…」

手を握ってくれた…
俺…あんなヒドい事したのに…





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