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無垢な彼女
第7章 無邪気な彼女
次の日。
文化祭が始まった。
始まってすぐに琴美は店番ではなかったようなので混む前に谷原さんと、鴨宮と三人で来てくれた。
「お、お、お、大野君!お化け屋敷怖いかな?」
「え?そりゃあ一応お化け屋敷だしなぁ…谷原さんお化け屋敷苦手?」
「た、た、た、た、多分大丈夫だよぉ?」
「優菜ちゃん!みんなで一緒に行こう?」
めちゃくちゃ苦手そう…
教室の前でかなり怖がっている谷原さんを気にせず、鴨宮は教室のドアを開けようとしていた。
「鴨宮君!!ちょっと待って!まだ心の準備がぁ!」
「…いつまでも出来ないだろ」
「琴美もまだ出来てないよー!淳君、掴まってていい?」
「あ!琴美、言いにくいんだけどさ、三人以上は一緒に行けないから二人と行くなら俺行けないけど」
「えええぇ!?あうぅッ…本当だ!ここに書いてある…」
このかなりビビってる二人を鴨宮が連れて行ってくれるところが想像つかないんですが…
「……優菜。心の準備出来ないなら俺小山と行くけど?」
「ふえッ!?」
鴨宮はそう言って琴美の腕を掴んだ。
「あ…鴨宮君…置いて行かないでぇ…」
鴨宮の突然の行動に谷原さんは本気で泣きそうになっていた。
「…何泣いてんの?」
「ヒックッ…泣いてないもん」
まじで泣いちゃったよ…
俺と琴美はどうしていいかわからず、二人を見守る。
「…冗談だろ。ほら、来いよ」
「ふうぅッ…」
琴美を掴んでいない方の手で谷原さんの手を掴む。
ビビってる二人を連れて行くということなこの状態で進むという事だ。
「…大野。このまま行って良い?」
「良くない!琴美は俺が引き取る!」
鴨宮のやつさりげなく気付かせてくれたのかもしれないな…。