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無垢な彼女
第8章 甘美な彼氏
そのお泊まりはあっという間に終わってしまって、次の日の夜まで一緒に過ごして鴨宮君がいつものように家まで送ってくれる。
「お泊まりデートあっという間に終わっちゃったねぇ…すごく楽しかったぁ!北原先生に感謝しなくちゃ!あ、じゃあまた明日学校でね?」
「…」
「雄君…?」
「……最後にもう一回キスしていい?」
「へ?いつもそんな事聞かなくてもするくせにぃ…いいよぉ」
初めてキスした時だって勝手にキスしたくせにどうしたのかな?
鴨宮君は私の手を握って、ゆっくり唇を重ねた。
……なんとなく唇が震えているような気がする。
「……優菜……ありがとな」
唇が離れると…握った手が離れると…どうしても嫌な予感しかしなかった。
「雄君!……明日学校来るよね?」
「うん…行くよ」
「そうだよね…また明日ね?」
「………あぁ」
手を振ると、鴨宮君は………あの爽やかな笑顔で手を振り返してくれた。
あんなに嫌がってたのに…どうして?
私は鴨宮君の背中を最後まで見送った。