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無垢な彼女
第8章 甘美な彼氏



「………何痩せてんだよ……太れ…」

「ふえぇッ…鴨宮君のせいだもん……」

「……ごめん…」

「ヒグッ…あんな大きいチョコレートケーキ1人じゃ食べきれないんだから…一緒に食べて?」


鴨宮君は黙って私の事を離すと、手を握って保健室に向かった。


「雄二郎!あんたどこ行ってたの!?」

「姉ちゃん………やっぱり部屋貸してください」

「ハァ…全く!最初から素直にお姉ちゃんの好意を受け入れれば良かったじゃない…いいわよ。優菜ちゃん体調良くないから無理させない事!」

「…えっと…?」

「この子ったらせーっかくお姉様が優菜ちゃんとゆっくり過ごせるように今日くらいはマンション貸してあげるって言ってあげたのに、一回断ったのよ!」

「へ…あ、本当にいいんですかぁ?」

「当たり前でしょー!これから離れ離れになるんだから…」

「ふうぅッ…ありがとうございます…」

「……優菜…行こう」

鴨宮君に手を引かれて、私達は学校を後にした。
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