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無垢な彼女
第8章 甘美な彼氏
その日の夜の事だ。
~♪
私はその着信音が幻聴ではないかと耳を疑った。
この着信音は10年前は頻繁に流れていて…10年間一度も鳴らなかった音。
鴨宮君からの着信音…
手が震えた…
「…………もしもし?」
「……もしもし…谷原さんのケータイですか?」
「か……鴨宮君?」
「………優菜だよな?」
「うん!」
「…番号変わってなくて良かった…」
「変える時くらいは番号変更のメール送るよぉ」
「…そうか」
「あ、帰国したんだねぇ!今日テレビで鴨宮君の事見ちゃったよぉ…カフェすごく注目されてるよね」
「…あのさ…予定空いてたらオープン前に招待していい?」
「え?」
「……彼氏とか旦那とかいるんだったら二人分用意する…相手が嫌じゃなければ、最初のお客さんになってもらいたいんだけど」
「いないよ!彼氏も旦那さんもどっちもいない!あ………最初のお客さんになってもいい?」
私何独り身の事を強調してるんだろ…
鴨宮君は気遣ってくれただけで、そういうつもりで聞いた訳じゃないのに…
明日の夜が二人とも予定が合ったので、明日の夜にカフェに行くことになった。
鴨宮君…あんなにカッコイイんだもん…彼女いるよね…もしかしたら結婚してるかもなぁ。