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無垢な彼女
第8章 甘美な彼氏
「お母さん…これおかしくないかなぁ?メイク変なところない?」
「大丈夫よ。そんな気にするくらいお洒落するなんて珍しいわねぇ…デート?」
「デ、デートじゃないもん…」
招待してもらったんだし、綺麗な格好しないと悪いかなぁって思っただけ…鴨宮君とこれからどうなるわけじゃないし…
私は自分にそう言い聞かせて家を出た。
鴨宮君のカフェはすごくお洒落なお店が並ぶ通りにある。
すごいなぁ…こんな一等地にカフェオープンさせるなんて…
カフェの前に着くとお洒落な外装に見入ってしまう。
「……優菜」
「へ…あ!鴨宮君久しぶりぃ」
「…10分くらいそこ立ってたね」
「あ///だって…お店すごいなぁって!」
「…綺麗なったのに、口開いてて面白かった」
「はうぅ///」
「…入れば?」
なんか……なんか………泣きそう…。
手をギュッと握って涙を堪えた。
お店に入ると、中に愛嬌のある美人な女の人がいて席まで案内してくれた。
もしかして…鴨宮君の奥さん?
鴨宮君は厨房に入っていく。
「お食事のメニューは雄二郎が用意してありますのでお飲み物だけこちらのメニューからお選びくださいませ」
「はい…えっと…ジンジャエールで…」
ワインとかもあったから少し大人ぶって頼もうかと思ったけど…実はお酒はすごく弱い。
せっかく招待してもらったのに話せないで終わるのだけは避けないと…
女の人がメニューを閉じた時、左手の薬指には指輪がしてあって思わず見てしまった。
鴨宮君の事、雄二郎って呼んでたしやっぱり…
飲み物をすぐに持ってきてくれて、目が合うとニコッと優しく微笑んでくれる。
「ごゆっくりお過ごしくださいね」
「はい…ありがとうございます…」
鴨宮君…私の事なんて言って招待してくれたんだろう…。
元彼女って言ってるのかな…