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無垢な彼女
第8章 甘美な彼氏


そして、鴨宮君の手が服の中に入って来ようとした。



「………ンッ……か…鴨宮君…駄目ッ!」


何が起きてるの!?何で、鴨宮君とこんな事に!?フランスって一夫多妻制だったっけ!?
違うよね!?

私は混乱しながら鴨宮君の手を止める。


「…ハァハァ///…駄目だよぉ…」

「……好きな男いんのに無防備に一人で俺の所来るのが悪い…酒も上手いこと飲まされて……隙あり過ぎ」

鴨宮君は溜め息をついてソファから立ち上がった。

「…あの…私ッ……やっぱり…この10年間鴨宮君以上に好きになれる人出来なくて…ずっと彼氏出来なくて……10年ぶりに鴨宮君とこうして再会して…今日ずっと…鴨宮君にドキドキしちゃってたけど…ふぇッ…不倫とか…浮気みたいな関係にはなれないです…ヒックッ」

「…?」

鴨宮君はキョトンとした顔をして、またソファに座った。

「……不倫とか浮気ってなに?」

「鴨宮君には新しい人いるでしょ!」

「………どこに?」

「さっきの女の人!」

「……あれ違うんだけど」

「エ!?だって!名前で呼んでたし…あ!鍵!一緒に住んでるんでしょ?」

「…あれ従姉妹で大学生。俺がフランスに行って母さん一人で一軒家は広すぎるから家売って、姉ちゃんと同居始めたら俺が帰る場所なくなって住む場所見つかるまで叔父さんの家に泊まらせてもらってる」

「そうだったのぉ!?はうぅ…私…勝手に勘違いして…」

物凄く恥ずかしい…

「………で?優菜の言ってた男は?」

「う……琴美ちゃんと大野君の子…拓海君っていう4才の男の子です…将来結婚してくれるって言ってくれてます…」

「……ハァ」

鴨宮君は溜め息をついた。

そりゃあ呆れるよね…
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