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無垢な彼女
第8章 甘美な彼氏
「………良かった」
「ほえ?」
「………優菜に彼氏も旦那もいない状態で再会出来る事に勝手に浮かれてた…俺の分析鈍ってる…」
「さっき突然冷たくなったなぁって思ったけど、私の好きな人にヤキモチ妬いたんだぁ?…拓海君の事本当の事だもん!嘘じゃないよ?」
「……ついでに彼氏でも旦那でもなければ奪うつもりだったから…シャンパン飲ました」
「へ……もぉ…10年の間に悪い人になってる…でも、私もうお酒抜けたみたいだし残念でしたぁ」
そう言って立ち上がると、ふらふらする…?
すると、鴨宮君に引っ張られて鴨宮君の上に乗ってしまった。
「キャッ…」
「…フッ……本当…無防備過ぎ…よく10年悪い男に引っかからなかったな」
「…うぅ…今引っ掛かったぁ…」
鴨宮君は私の頬にチュッとキスをした。
そして、スーツのポケットから何か小さい箱を取り出した。
「それ何ぃ?」
「…優菜に」
「私に?」
「…開けてみ」
箱を開けると、そこには指輪が…!?
しかも、これ有名なブランドの!?
「な……なんでぇ!?え?どういうこと?」
「……優菜………俺と結婚を前提に付き合ってください」
「……やぁ……ふわぁぁッ…」
ずっと…ずっと…堪えてた涙が溢れ出てきた。
「…嫌なのか?」
「違ッ……嬉しいのぉ…うえぇッ…」
鴨宮君は私の涙を指で拭ってくれる。
私はもらった指輪の箱を握ったまま泣き続けた。