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無垢な彼女
第2章 正統派彼氏

…取れないー!


ハサミを使おうと思っても両手首がガッチリくっついてて使えない…もう泣きそう…。


ピンポーン♪


「はわぁッ!」


淳君だ!

そうだ!淳君に取ってもらおう!

なんとか指でスマートフォンの画面をタッチして淳君に電話をかける。
テーブルにスマートフォンを置いたまま耳を当てる。


「もしもし?あれ?家にいないのか?」

「淳くーん…助けてぇ」

「どうした!?」

「はうぅ…玄関開いてるから来てぇ」

「わかった!すぐ行く!」


玄関のドアが開く音がした。

もうだいじょう…ぶ…じゃない!

淳君のケーキ出来てないし、それに下着のまま!
両方隠さないと!


「琴美!大丈夫か!?」

「淳君来ちゃダメー!」


ベチャ…


「……は?な、何してんの?」


もう何を思ったのかわかんないけど…身体でケーキを潰してしまった。

クリームまみれになっちゃった…最悪だぁ。


「違うのぉ!はうぅ……ふえッ」


淳君のお誕生日なのに…ケーキこんなんにしちゃったし、準備も終わってなかった。

せっかくのお誕生日なのに…涙しか出てこない。

淳君は黙ってリビングに入って来て、私のところまで来てしゃがみこんで私の頭をポンポンと撫でた。


「…何泣いてんだよ?」

「ふあぁッ…らってぇ…」

「これはさ…琴美が誕生日プレゼントだと思っていいの?」

「ヒックッ…ほえ?」

「リボン付いてるし。すげぇうまそうだよ」


淳君はそう言うとキスをしてくれる。


「ンッ…ふわッ…」


淳君のエッチなキスで気持ちよくなっちゃう…。
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