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無垢な彼女
第3章 しっかり者彼氏


安藤君と付き合い始めて初めてのお昼休みの事。


「小山、今日これ食いたいんだけど」

「へ?あ!おいしそう!」


安藤君は雑誌を開いて見せてくれたのはデパ地下の個数限定のお弁当だった。


「ほら、ダッシュ」

「ほえ?」

「小山も食いたいんだろ?買ってこいよ」

「え…ここ隣の駅だよー?」

「ダッシュで行けば間に合うだろ。早く行けよ」

ドンッと背中を押される。

「普通彼女って彼氏に尽くすもんだろ?何?今までこういう事したことないのか?」

「…あの…えっと…」

「だから大野に嫌われたんじゃね?」


そっかー…付き合ったら普通はちゃんとこういう事しないといけないんだ。

淳君の時にも本当はやらないといけなかったのかも…なのに、あんなワガママ言って嫌われちゃうのも無理ないよね。

「急いで買ってくるね!」

「いってらっしゃい」

学校を飛び出して急いで雑誌と同じお弁当を買いに行った。
しかし、着くのが遅かった。
もちろん売り切れで仕方なく他のお弁当を買って帰る。


もうお昼休み終わっちゃった…


「え?今頃戻ってきたの?しかも、これ違うな」

「ごめんなさい…売り切れてて…これ中身似てたから今日はコレで…」

「あー…もういらねぇからいいよ。遅いから食っちゃった。明日は四時間目の授業抜け出して行けば間に合うんじゃね?」

「はう……」

安藤君…厳しい。

次の時間お腹が空いちゃって授業に全然集中出来なかった。

明日はちゃんと早く行って買ってこよう。
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