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女堕ち
第1章
遼一は女を落とすたびに、また学習していった。
そして確信していった。
「今まで頑張ってよくやってきたね。あなたの夫はあなたの努力など気にも留めず“女”として見なくなったけど、俺はあなたをちゃんと“女”として見ていますよ。さあ、もっと“女”である幸せを謳歌しましょう」
女はそれだけで“女”であることに目覚める。
そして“女”でしか味わえない悦びに打ち震える。
ああ、女に生まれてきて良かったと。
自分のしてきたことは“女として”間違いではなかったと、自分を褒め、そしてそうしてくれた“男”に感謝する。
必ずだ。
皆、堕ち、そして俺を『愛している』と言う。
夫がいるのにも関わらずだ。
『愛しているのは、あなただけ。あなたのためならすべて捨ててもいい』
中には、そう言う女もいた。
自分が育てなければならない子供がいるのにだ。
一人たりとも自分から俺との関係を終わらせた女はいなかった。
なぜだ?
と遼一はいつも女たちに無言で問う。
なぜだ?
なぜ女はこうも“女”として堕ちる……?
遼一は幼い頃に見ただけの母親の横顔に問うていた。

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