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恋する妻
第8章 秘密のやり取り
「だって、悠が教えて欲しいって」
「なんで?」
「旦那さんみたいになりたいって」
「…?」
「あたしを奥さんにできる人になりたいって」
確かにその頃のメールは、なぜか僕のことが中心でした。郁は僕のことを、ちょっと茶化しながら、愛していることがわかるよう、メッセージを送っていました。

「お兄、その頃くしゃみしなかった?」
郁が笑顔で言いました。僕も笑顔で、郁の頭を撫でてやりました。そして姉弟の関係は、告白を境にすこしずつ変わりました。

『お弁当、美味しかったです!』
メールにそうありました。そこには郁と悠の、ツーショットが添付されていました。

「うん、初めてお弁当作ってあげた時ね」
そこには感謝の言葉が綴られていました。飲み会で悠の食生活が話題になり、郁が「姉」として責められた頃でした。郁はお弁当を嬉しそうに食べる悠の姿を見て、郁は胸がときめきました。

「その時、悠のこと…もっと好きになった」
僕は動揺を笑顔で誤魔化しながら、メールを見続けました。郁はすこし不満そうに、僕をみています。

「お兄のせいだよ…いつも、あたしを唆してた」
「うん、わかってる…郁は悪くないよ」
「悠も…」
「悠も悪くない…」
そしてふたりが結ばれる、悠のインフルエンザ騒動が綴られていました。

「ホントに心配で、既読つかないし…」
その時のやり取りは、郁が本気で心配していることがよくわかるメッセージが並んでいました。そして郁が全裸で添い寝した夜、悠から感謝のメッセージが並んでいました。

「ね、悠…その日のこと覚えてないの」
郁が笑いながら説明してくれました。そして今も、あの日のことを伝えていません。

「なんで、教えてないの?」
「…だって、あたし自分でしちゃったから…」
「しちゃったから?」
「オナニー…悠に恥ずかしくて、言えないよ」
郁は酔いも手伝い、全てを告白しています。僕もその夜初めて、郁がオナニーすることを知りました。そして郁の言葉に、僕は興奮で心が震え始めていました。しかしモノは小さいまま、先端から透明な液があふれていました。

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