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少女監禁 罠に堕ちる女
第8章 宗一の旅立ち
宗一を見送ってから
健太郎は妻の綾乃に電話してみた。
その頃、綾乃は部下の坂下と
ラブホのベッドで微睡んでいた。
男の胸板に顔を埋めて
もう仕事も家庭も夫婦関係も
何から何までどうでもいいわと
そんな現実逃避に陥っていた。
そこへスマホがけたたましく鳴り響いた。
スマホを手にして確認してみると
夫の健太郎からの着信だった。
『また借金の催促?』
女と不倫して孕ましてしまったからと
なぜ私が尻拭いしてやらなきゃいけないのよと
腹立たし紛れに罵倒してやろうと
通話を開始した。
「なに?」
自分のことは棚にあげて
夫の女遊びを気に入っていないのよという意味で
綾乃は無愛想な返事をした。
卑屈な答えが返ってくるものだとばかり思ったが
電話の声は、やけに逼迫していた。
『聡子が家を出た!』
「えっ?何のこと?」
『聡子が家出をしたんだよ!』
「まさか…あの子に限ってそんなこと…」
『冗談じゃないんだ!本当なんだよ!』
今から警察に失踪の捜索願いを出しに行くから
お前も警察署に急いで来い!
そう言って通話は唐突に切れた。
家庭を省みずに
好き勝手やってきたバチが当たったのだわ…
「どこへ行くんだい?」
坂下がチェックアウトの前に
もう1ラウンドやっておこうよと
ベッドを抜け出そうとする綾乃の体を
抱いてきたが、
「ごめんなさい、それどころじゃないの」と
綾乃は坂下の手を振り切った。