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プリンスの誘惑
第2章 ~無口な王子~
────綺麗な瞳
薄暗い部屋に僅かな明かりが灯されている。
切れ長の鋭い瞳、眉日秀麗な殿下はどこか冷たい表情にも見える。
実際、殿下は多くを語らない。
ただ、貴妃として姫は殿下に抱かれる。
冷静沈着、情事も淡々とその役目を果たすだけのものだった。
しかし、幾度と重ねた殿下の肌はとても暖かく彼も血の通った人なのだとわかる。
そして、ときおり垣間見える優しさが、姫の心をとかした。
姫は、淡白な殿下に惹かれてしまう。
だが、その気持ちは一通行、交わることはない。
姫は何人かいる妃嬪の一人でしかなかった。