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プリンスの誘惑
第2章 ~無口な王子~
「姜花は、兄上の所に行かないのかい?」
弟君は殿下とは違い社交性のある柔らかな物腰の人だった。
「ええ……」
単なるヤキモチだった。
殿下とふたりでまた桃園を散策するものだと勝手に勘違いし、この現状に気を落としてしまった。
殿下相手にそんなこと思っても仕方ないことなのだが。
「ふーん、そう、じゃあ僕の相手してもらおうかな」
弟君は、優しい方。
女官たちにも人気が高く、女性の扱いにも慣れている。
相手などと……
弟君は、ひとりでいる姜花に気を遣ってくれたのかも知れない。
聖人君子のような方。
弟君も端正な顔をしているが、その柔らかな表情のせいか、殿下よりも打ち解けやすい。
姫は、モヤモヤとした感情を忘れ弟君と談笑をする。