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プリンスの誘惑
第2章 ~無口な王子~
「姫……」
ふと、名を呼ばれ姜花は殿下を見上げる。
先ほどは『姜花』と、呼んでくれたのに、いつもの呼び名に戻っていることに少し寂しく感じつつ。
相変わらずの無表情で殿下は怒っているようにも見えるが……
長き沈黙、殿下は呟きジッと姫を見つめる。
そよぐ風、殿下の瞳に見つめられ顔が火照ってくる。
冷たい風が今日は心地よい、姫は胸の高鳴りが早まってくる。
いつもは殿下と静かに過ごすことになんの躊躇いも感じないのに、どうしてか無言が緊張する。
「それは、誰を想って顔を赤くしているのだ」
「え……っ?」
「……姫は、光輝が好きなのか?」