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プリンスの誘惑
第2章 ~無口な王子~
「はい。光輝さまには、いつもお世話になっておりますゆえ」
弟君は、優しく好感のもてる男性で人として好いている。もちろんその意に深い意味はない。
姫がそう応えると殿下は少し眉根を寄せた。
「姫……姜花は……」
姜花はトクンッと胸が高鳴る。
姫と、呼んだにも関わらず、姜花と呼び直したことに。
殿下の一つ一つに高鳴る鼓動がうるさくなる。
殿下は言葉を呑んだまま、池に視線を移した。
「殿下?」
殿下は、ため息を洩らし再び姜花見る。
「たとえ姜花が望んだとしても……許せ、お前は……俺のものだ」